シャバーサナ

どの国のどんなヨガクラスでも、最後はシャバーサナで終わるのが一般的だと思います。シャバーサナはアーサナ、ヨガポーズの一つですが、他のポーズとは異なります。一般的なポーズに於いては、呼吸、アライメント、ドリスティ(どこを見るか)、それら全てへの意識が重要です、しかし、シャバーサナでは首と体をまっすぐに伸ばし、両手を広げ、手のひらを天井に向け、両足を広げる以外は、アライメントを重視しません。目を閉じて、どこを見ることもなく、呼吸はあるがまの自然な呼吸でそこに意識することもありません。シャバーサナとはサンスクリット語で屍のポーズを意味します。

因みにシャバーサナと瞑想の違いはどちらとも自然な呼吸をしますが、前者は呼吸、身体、姿勢に意識しませんが、後者は呼吸に意識、身体、姿勢に意識します。

クラス中は、呼吸、アライメント、ドリスティ、それら全てへ意識し、ポーズひとつひとつに全力で取り組みますが、クラスの最後では意識とポーズから解き放たれ、一時的な死を体験し、また新たな心身で蘇ってくるというのがヨガクラスの流れです。自分で練習する場合もその流れは同じです。

どのヨガクラスも全てはシャバーサナのためといっても過言ではありません。このポーズを軽視してしまう人もいますが、実はとても大切なポーズです。

シャバーサナが気持ちよくできない人、頭を空っぽにできず考え事をしてしまう人、落ち着かずに途中で起き上がってしまう人。うまくいかない人は通常のポーズもうまくいっていないのかもしれません。

現代人は心と身体が離れがちで、無意識に考え込んでいたり、意識的であるべきところでボーッとしてしまったりする人も多いと思います。心と身体がしっかり繋がっていないと不眠症や精神衛生上の問題を引き起こしがちです。シャバーサナが苦手な人は、もう一度自分のシャバーサナを見直すことをお勧めします。